それって本当に寿命?
包丁についてお客様とお話をしているとき、「シャープナーが効かないからもう寿命かな?」と聞かれることがあります。人によっては「シャープナーが効かなくなったから包丁を捨てた」という方も。
もったいない!
シャープナーが効かなくても包丁の寿命ではないかもしれません。
包丁捨てないで!と声を大にして言いたいです。
シャープナーは便利ですが、あくまでも簡易研ぎ機。
シャープナーで研ぎ続けていると何が起きるかということをぜひ知っていて欲しいです。以下の図の通り。
しかも、場合によっては以下のように
刃が厚くなりすぎると、肝心の刃先にシャープナーが当たらず、研げなくなることも。
これは包丁が厚くなっているからシャープナーで研げないだけで、包丁の寿命ではありません。
そもそもシャープナーって使っていいの?
包丁屋さんによって考え方は色々だと思います。
砥石だけで研いでシャープナーを使わない方がいいという包丁屋さんもいらっしゃいます。適切に砥石で研げるのならそれが一番です。刃のかたちも崩れません。これが理想です。
でも切れ味が鈍ってきた時、そんなに頻繁に砥石で研げないよという方も多いです。というか砥石持っていないという方も多いです。「昔はおじいちゃんが研いでくれたんだけど、今は家に研げる人がいないんだよね」というのもよく聞くお話。
切れない包丁。次に研ぎに出すまでの間、切れないけど我慢して使い続ける…というのもなかなかつらい話。
僕はどちらかというとシャープナー容認派。
僕は使っていいと思っています。砥石で研げない方でも、シャープナーはスライドさせるだけで研げるのでとても便利。使っていいと思います。
でも前述の図の通り、シャープナーだけで何年も研ぎ続けていると、包丁が厚くなってシャープナーが効かなくなることがあります。
というわけで、
おすすめはシャープナー&砥石での研ぎ併用
砥石で研げない方への僕のおすすめはシャープナーと砥石の併用。
たまに砥石で研げば包丁の刃先の厚さはコントロールできるので、またシャープナーも効きやすくなります。
①切れなくなったら家でいつでもシャープナーを使って
②1年に1回や半年に1回は、定期的に近所のお店で研いでもらう
というのをおすすめしています。お店で研いでもらうのは、人間で言えば定期健診みたいなものです。刃の厚み以外に刃こぼれなんかも直してもらえます。
近所で研いでくれるかかりつけ医のような包丁屋さんをぜひ見つけてみてください。
内藤金物店では店頭お持ち込み分の研ぎを承っておりますので、静岡県富士市近郊の方はぜひお持ちください。